ゴム成形型の種類
ゴム金型には大きく分けて直圧式成型(コンプレッション成型)と注入式成型(トランスファー成型)の2種があります.製品形状や求められる精度,金属や樹脂との一体成型,コスト面と考慮して選択することになります.それぞにメリット,デメリットがありますので,選択する際の案件により考慮します.
直圧式成型(コンプレッション成型)
金型の製品形状のキャビの真上に直接,材料を置き,上型の加圧により材料をキャビに流し込む仕様でシンプルな金型形状になります.メリットとしては,金型費が安価にでき,使用材料も最低限の量で済む為,コストメリットはあります.反面,製品形状の深いものや複雑な形状品に対して充填不良など品質的に不安定要素もあります.また,金型キャビに直接材料を流し込む為,喰い切り(仕上げ感)の調整がシビアになり,材料仕込み量管理も厳しくなります.
直圧式成型のメリット
- 金型構造が単純なので費用が安価
- 使用する材料が必要最低限で済む
- 注入式と比べやや生産性に優れる(成型回転〇)
直圧式成型のデメリット
- 細かく裁断,計量した材料の準備が必要
- 仕上げ性,寸法が金型構造の精度に左右される
- 寸法,仕上げ性を安定させるにはオペレーターの技量が必要となる
注入式成型(トランスファー成型)
製品キャビの上は,ポット型があり材料をキャビ内に流し込む為のゲート孔が開けてあります.ポット内に材料を置き,プランジャー(上型)で加圧することにより,材料がゲートを通過しキャビ内に注入され充填させる仕様で金型枚数も多くなり,直圧式よりやや複雑な金型形状となります.
注入式成型のメリット
- 使用する材料は細かい裁断や精度を要求される計量は必要ないので,材料準備に手間がかからない
- 金型が閉じた状態により必要な材料をキャビに流し込むので寸法の安定性,仕上げ性が期待できる
- 金型や樹脂のインサート成型品は,インサート品を固定した状態からゴム材を注入するのでゴム材の流動でインサート品がキャビ内でズレる事を防止できる
注入式成型のデメリット
- 金型構造が直圧式と比べ,複雑となるので費用が高価となりコスト面では不利となる
- ポット型内部にキャビの喰い切りとは別にポットバリが形成されるため,材料使用量が増え,材料コストは増となる
- 製品面にゲート跡が残るため,外観部品などには不向き
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