シリコーンゴムへの着色・調色技術でご希望の色に国内自社で対応します
シリコーンゴムは微細なシリカを配合することにより、原料色の多くは半透明色や灰白色となります。シリコーンゴム専用の顔料を添加することによる着色が可能で、多種多様で色鮮やかなカラーが可能。蛍光色やパステル調の色調を表現することができます。DIC色やPANTONE色などの指定色への対応も賜ります。
私たちの会社では、シリコーンゴムへの着色は、全て自社工場で対応しております。
シリコーンゴムへの着色
シリコーンゴムへの着色方法
私たちの会社で主に取り扱いシリコーンゴムは ミラブル系のシリコーンゴム原料になります。ミラブル系原料は粘土状態のシリコーンゴムです。ペースト状のシリコーンゴム専用顔料を添加し、ゴム練りロール機で繰り返し練り返すことで 顔料が均一に練り込まれ着色されます。
ペースト状のシリコーンゴム専用顔料自体は数十種類の色調の顔料が存在します。過去の実績や色チャートから複数の顔料を組み合わせことにより、色調を作り上げることが可能です。
着色がやさしいシリコーンゴム 着色がむずかしいシリコーンゴム
シリコーンコンゴム原料の元々の色調が透明(半透明色)であれば、指定色への着色・調色の再現性は非常に高い確率で可能になります。
一般シリコーンゴム、高引裂グレード、低硬度グレード等、多くのシリコーンゴムグレードの原料の色調は半透明色となっています。これらの半透明グレードですと着色・調色はやさしい部類になります。
これとは違い 耐熱や難燃性などの性能を特化したシリコーンゴムグレードの原料は 添加物の影響で原料色が灰白色(不透明グレー)、淡黄色(不透明アイボリー)など特定の色目になっている場合があります。
これらの原材料自体が色つきの場合は、原材料の色目自体がロットによるバラツキもあるため 着色・調色が非常に難しく 希望色への再現性も低下する場合があります。黒系の原材料を白くすることはできず、白系の原材料を真っ黒にすることもできません。
また、顔料を混ぜることで特殊性能に特化したシリコーンゴムの性能を失う場合がありますので着色できない場合もあります。
製品の表面状態によって色目の見え方の違い
シリコーンゴム製品の表面状態によって色目の見え方が違ってきます。ツヤツヤした鏡面状態では深い色目の濃いめに見えることが多いです。また表面がマット調のブラスト状態では淡い色目の白っぽい雰囲気になります。意匠性を重視する場合は金型表面状態の選択も重要になってきます。
シリコーンゴムへの調色の流れ
PANTONE や DIC のカラーチップでの調色はもちろん お客様がお持ちの現物サンプル色に合わせることも可能です。微細な調整も根気よく行い、お客様のデザインにあわせて追求します。
現在までに調色した1,000色以上のバックデータを参考に近似値色から最速で調色します。一度調色された色調は 採番された配合番号で管理されています。再現性も安定的です。
費用
調色は原則有償にて承ります。ご希望の色調によって、調色費用に変動がございますが、1色あたり¥20,000~¥30,000程度となります。色見本を確認後にお見積もりさせていただきます。
納期
調色に要する期間は1色あたり1週間~2週間程度になります。一度に複数の調色が必要な場合の納期については、担当までご相談ください。
不適色
メタリック調(金属調)への調色は不可となります。蛍光色は概ね可能ではありますが、顔料の有無によって一部で制限が生じる可能性があります。
見え方の違い
シリコーンゴム表面素地の状態(鏡面、ブラスト加工、通常みがき)によって、同色であっても目視での色の見え方には違いがあります。完成品の素地状態に合わせた表面状態での色確認が必要です。
調色した色の再現性はどうなるのか?
配合表(レシピ)は、下記のフォーマットにて作成し、全て重複しない採番した配合番号にて管理しています。
配合番号の内容は全てデータ化され管理システムに登録しております。量産の課程では注文数量により都度変動する使用材料重量に対して顔料・添加剤は全て自動計算にて表示した「使用重量表」を発行します。ロット毎に「使用重量表」を発行し配合量の計算間違え等のケアレスミスの防止し再現性を向上させております。
ここまでの管理をしておりますが・・・シリコーンゴムの原料自体は自然界の鉱物であるケイ石が原料の一部となっています。厳密に言いますと実は原料自体に色調や透明感のバラツキが存在しています。
当社配合では添加剤・顔料の投入量を0.01g単位で管理しています。原料色のバラツキから着色したシリコーンゴム成形品の色目にも、ほんの僅かながらバラツキが生じる可能性がございます。あらかじめご理解・ご了承願います。
配合実績事例
調色の見本になるカラーチップは紙ベースや光沢のあるプラスチックの場合が多いです。シリコーンゴムの調色では素材の違いや見た目の違いでどうしても風合い・質感が違ってくることがございます。各人の主観もございますので双方協議の上、調整しております。ご了承ください。
DICカラーガイドからの調色
ご提供可能な環境資料
顔料単体で提供可能な資料 | SDS |
シリコーンゴム材に配合した状態で提供可能な資料 | Rohs2不使用証明書 |
別途有償でご提供可能な資料 | Rohs2・ICPデータ、食品衛生法適合証明書 |
着色によるシリコーンゴム特性の変化について
一般的な見解としては、シリコーンゴムへの着色による特性の変化、物性の変化は誤差レベルなので変化は生じません。
しかし、顔料等を過剰に配合した場合は変化が生じる可能性は否定できません。調色時に、過剰に配合する必要性が生じた場合は都度協議とさせていただきます。原則、色調を変更していただく等でシリコーンゴム特性・物性の変化リスクは回避する方向でのお願いとなります。
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