シリコーンゴムの種類

シリコーンゴムの種類

シリコーンゴムは有機合成ゴムに比べ、特に耐熱性、耐寒性にすぐれ、更に耐候性、熱伝導性、電気特性、反発性等がはるかに優れています。特に耐候性に関しては、耐候性試験を10年以上続けても劣化がほとんどなく、試験結果より推定すると100年程度でもゴムとして使用できることが判明しています。

そのシリコーンゴムは原材料の段階では 大きく分けて固形タイプのミラブルシリコーン液状タイプの液状シリコーンゴムに分類されます。当社では主に固形タイプのミラブルシリコーンゴムで金型を用いて製造しています。ミラブルシリコーンゴムは特殊性能に特化したタイプ別でもラインナップされています。

通常使用では一般的なシリコーンゴムで十分な場合が多いですが、特殊性能を必要とする用途に向けたタイプ別のミラブルシリコーンゴムを紹介します。

ミラブルシリコーンゴムとは?

重合度3,000~10,000の線状ポリマーを主成分とし、シリカ系補強性充填剤、潤滑剤、各種添加剤を配合したもので、使用時に加硫剤を添加することにより加熱硬化するタイプのゴム。

ロール(ロールミル)を用いて成形加工するシリコーンゴムのことです。天然ゴムや一般合成ゴムと同様に、ロール作業で ミラブル系シリコーンゴム 可塑化、加硫剤配合、色つけなどを行い成形します。

また、ミラブル型シリコーンゴムはHCR(Heat Cured Rubber) HVR(Heat Vulcanizing Rubber)などとも呼ばれています。汎用、高引き裂き性、耐熱性、難燃性、導電性などの特殊性能に特化したグレードがあります。ミラブル型シリコーンゴムは形状が粘度状のため、取り回しや加工するのに扱いやすいメリットがあります。

着色や異種硬度同士のブレンドなども容易に加工することが可能です。成形するにはゴム専用の成型プレス機が必要になります。170℃前後の熱と加圧力で固めるイメージです。

ポイント

  • シリコーンゴムの原材料は専用ロール機を用いて混練りする
  • 粘土のような原料姿。固形なので取り回しや加工がしやすいため量産向き材料
  • シリコーンゴムの成形には専用プレス機が必要で熱と圧力で固まる
  • 耐熱性や導電性などの特殊性能を有するグレードをラインナップ
  • 一般グレードは他の合成ゴムと比べても比較的安価
ゴムロール
粘土状の原料投入
ゴムロール
顔料投入練り

ミラブルシリコーンゴムのラインナップ

​​一般グレードとは一線を画す、抜き出た特殊性能を持つシリコーンゴムをタイプ別にラインナップ

エコノミーシリコーンゴム

エコノミータイプシリコーンゴム

特性に特化した要求が無い限り、基本的には全ての特性が平均点以上を保持する汎用シリコーンゴムのエコノミータイプを使用します…

導電性シリコーンゴム

導電性シリコーンゴム

当社の主力材料のひとつが 導電性シリコーンゴム になります。導電性シリコーンゴムを成形しない日がないといっても過言では…

高透明シリコーンゴム

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低硬度シリコーンゴム

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高耐熱性シリコーンゴム

高耐熱性シリコーンゴム

ゴム素材の中でもシリコーンゴムは耐熱性能に非常に優れた素材です。一般的には工業用汎用グレードでも、150℃前後の温度下では…

耐寒性シリコーンゴム

耐寒性シリコーンゴム

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高引き裂き性シリコーンゴム

高引き裂きシリコーンゴム

シリコーンゴムの弱点の一つに引き裂き強度が弱いという特性が存在します。高引き裂きグレードのシリコーンゴムとは、この弱点を補う…

高伸長性シリコーンゴム

高伸長性シリコーンゴム

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難燃性シリコーンゴム

難燃性シリコーンゴム

一般的にシリコーンゴムは燃えにくい素材(難燃性)と言われていますが、決して全く燃えない素材(不燃性)ではありません。シリコ…

耐スチーム性シリコーンゴム

耐スチーム性シリコーンゴム

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オイルブリードシリコーンゴム

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プラチナシリコーンゴム

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フロロシリコーンゴム

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食品衛生法適合シリコーンゴム

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医療用メディカルグレードシリコーンゴム

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液状シリコーンゴムとは?

液状シリコーンゴム

重合度100~2,000の線状ポリマーを主成分とし、ミラブル型と同様、各種充填剤を配合したものですが、低粘度の液状で一般にはミラブル型のように特別な硬化装置を必要としません。また室温での自然硬化、または加熱することで硬化して、ゴム状になるタイプです。

液状シリコーンゴムは硬化タイプの 液状シリコーンゴム 違いから縮合型、付加型に分類でき、更にそれぞれ一液性と二液性(三液性)に分けることができます。また、縮合型、付加型は共に室温硬化(Room TemperatureVulcanzing)することができ、付加型は加熱することで硬化を早めることができます。

付加タイプの液状シリコーンゴムは LIMS機と言われるゴム用の射出成形機を用いて 金型成型することも可能です。機械の条件設定が煩雑なため継続的な超量産向きで小ロットには不向きです。

液状シリコーンゴムのことを LSR(Liquid Silicone Rubber) とも略す。

ポイント

  • 水やハチミツみたいな粘度からグリスのような粘度がある
  • 一液性や二液性(三液性)のタイプがある
  • 自然硬化タイプ(縮合型)と熱硬化タイプ(付加型)がある
  • 自然硬化タイプは少数ロット向きなので特に試作に用いる
  • LIMS機(射出成形機)でプレス成形もできるが超量産向き
  • 液状シリコーンゴムを LSRと呼ぶ

縮合型液状シリコーンゴム

硬化時にアセトン、アルコール、その他の縮合生成物を生じるものの総称で、一液性と二液性に分けられます。一液性は、空気中の湿気と反応して表面から自然硬化するもので、二液性は混合と同時に硬化反応が進み、表面及び内部が硬化するものです。

付加型液状シリコーンゴム

Pt系化合物(白金化合物)を触媒とする付加反応によって硬化するものをいいます。一液型二液型共に、深部硬化性に優れています。また触媒となる白金化合物を調整することにより常温でも充分硬化することが可能ですが一般的には熱硬化タイプとして使用する。

RTVとは?

Room Temperature Vulcanzingの略で 常温で硬化するという意味

一液性RTVゴム

液状シリコーン一液性RTVは、チューブやカートリッジなどから押し出すことにより、空気中の湿気と反応して室温で硬化してゴムになります。硬化と同時にほとんどの材質とよく接着し、主に電気、電子機械などの接着、シール、コーティング、接着、シーリングに活用されています。

二液性RTVゴム

液状シリコーン二液性RTVゴムは、主剤と硬化剤を混ぜ、室温または加熱する事により硬化します。硬化後は、耐熱、耐寒、電気特性などに優れ、主に電気、電子、機械などのポッティング、コーティング、接着、シーリングに幅広く使われます。

二液性RTVゴム(型取り用)

型取り用液状シリコーンRTVは、主剤と硬化剤を混合し注入する事により、短時間でシリコーンゴム母型を作ることが可能です。シリコーンゴム母型は、離型性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性などに優れています。美術、工芸品、家電製品、自動車部品など幅広い分野で使われています。

LIMSとは?

Liquid Injection Molding System 液状シリコーン射出成形システムの略

LIMSは、液状シリコーンゴムを材料として用い、成形工程を機械的に一元化した成形方法です。材料セット以降、成形品完成までのプロセスを自動化できるため、生産性の向上労務費の低減などに大きなメリットがあります。

射出成形機を用い、液状シリコーンを付加反応にて硬化させるため、硬化速度が早く成形時間を短縮できる。材料が液状であるため、低射出圧で成形が可能。精密な部品にも対応が可能。ノーバリ、ランナーレス成形によって廃材の処理が不要。

材料の入れ替え時の掃除やセットなど煩雑なため小ロットには不向きで超量産に向いた製造方法です。専用の金型が必要です。ミラブルタイプの金型に対して、材料の供給システムが特殊なため高額な金型費になる場合が多いです。

シリコーンシーラントとは?

シリコーンシーラントは耐久性、耐候性、接着性に優れた弾性シーリング材です。紫外線やオソンによる劣化がほとんどなく、地震や台風による建物の動きにも追従する性能を備えています。

そのため、一般住宅、土木工事、工場建物、クリーンルーム、水槽など各種幅広く使われています。プライマーをすることにより、ほとんどの材質に接着します。耐久性、耐候性、接着性に優れているため機密・防水効果が長期間持続します。難燃性、透明性、抗菌・防カビ性などを高めた高機能なものも開発されています。

 

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