シリコーンゴムのガスバリア性
ガスバリア性とは素材のガスを遮断する性能を指します。ガスバリア性が高い素材とは、ガスの透過が少ないものと言うことが出来ます。
ガスバリア性の基準として国際標準機構(ISO)ではガスの遮断率を数字化するのではなく、ガス透過度で表しています。すなわち透過率の低いものをガスバリア性が高いと定義されます。
各種素材ガス透過率
※信越化学工業発行 シリコーンゴムの特性 より引用
上記の表からシリコーンゴムは高いガス透過率を示しています。シリコーンゴムは多孔質という非常に分子間の隙間が大きな素材の為,ガス透過率が他素材と比較して断然高いのでガスバリア性は非常に低くガスに対して気密性を要する容器やガスを遮断したい素材としては不向きと言う事になります。
ガスバリア性の高い有機系ゴムとしてブチルゴム(IIR)やスチレン・ブタジエンゴム(SBR)が挙げられます。これらは気体/ガス透過性が低い為、ガスバリア性には有利なゴムと言えます。
各種プラスチックフィルムの水蒸気透過性
※信越化学工業発行 シリコーンゴムの特性 より引用
シリコーンゴムは、有機系ゴムやプラスチックフィルムと比較して気体、ガス、蒸気の透過性がよい為ガスや水の分離用隔膜として酸素富化装置などへの応用が検討されたり、ハードタイプのコンタクトレンズにもプラスチックとの共重合ポリマーとして使用されています。
他に応用例として、ハウス栽培で温室への二酸化炭素濃縮空気供給装置。水道配管の防錆や分析機器の脱泡、脱気装置として。医薬品の製造工程での溶媒除去装置。 動物細胞の培養プロセスで培地中の酸素濃度を高く保ち、細胞から廃出される二酸化炭素を効率よく除去するシステム等で用いられる。
ガス透過イメージ構造図
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